韓国は、8月に米韓指揮所演習、9月下旬に米韓海軍実働演習、そして10月末から米韓空軍実働演習を実施した。
海軍演習では空母「ロナルド・レーガン」を含む空母打撃群が日本海に入り、空軍演習では、最新ステルス戦闘機「F-35」を含む約240機が参加した。
北朝鮮の立場から考えれば、米韓軍事演習をやめさせるために「軍事的な対抗措置も辞さない」と強く反発してきたにもかかわらず、実施されてしまった状況だ。
これまで、北朝鮮の金与正党副部長は韓国に対して、米韓軍事演習を実施すれば「必ず代償を払うことになる」「危険な軍事演習は必ず自らをより重大な安全保障の脅威に直面させるだろう」と威嚇してきた。
軍総参謀長は、「これ以上の挑発は容認しない」「米韓は、恐るべき事態に直面し、史上最大の代償を払うことになる」「力と力の対決局面に入った」「より強化された次の段階の措置を考慮することになる」と威嚇し、演習の中止を求めていた。
韓国が米国と軍事的な関係を強化すれば、北朝鮮は南進した場合に勝ち目はない。どうにかして、その関係を断ち切りたいところだ。
文在寅・前大統領在任の期間はそれが上手く進んでいた。だが、尹錫悦大統領が就任してからは、再び関係強化に進んでいる。
その現れが米韓実働軍事演習の再開だ。
北朝鮮としては、米韓の軍事関係の強化だけは絶対に許容できない。だから、何としても阻止したかったのだが、実際は、北朝鮮の脅しを無視して合同演習を実施した。
では、北朝鮮はなぜこれほどまでに強硬姿勢に出るのだろうか。この点について考察してみる。