韓国の最大野党「共に民主党」の李在明代表(写真:AP/アフロ)

 北朝鮮による核の脅威が本格化し、朝鮮半島の軍事的緊張が高まっている中、韓国政界では、「北朝鮮の核」ではなく、「日本の自衛隊」をめぐる議論が盛んに行われている。

 野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は日米韓合同演習に向かって「極端な親日行為」という表現で尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権を攻撃し、国会で進行中の2022年国政監査では外交部を相手に「日本に対する屈従外交」という批判を浴びせている。

 これに対し、与党「国民の力」は李代表や共に民主党を「反日親北」と評して反撃を加えている。

5年ぶりの大規模演習

 9月30日から米海軍と日本の自衛隊、そして韓国海軍は、朝鮮半島の東側の公海上で、北朝鮮のSLBM脅威に対応するための3国対潜水艦合同演習を実施した。

 訓練は、米国の原子力潜水艦の「アナポリス」(SSN-760、6000トン級)を潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した北朝鮮潜水艦と想定し、日米韓の海軍の相互運用性を確認する方式で行われた。

 米国からは原子力空母の「ロナルド・レーガン」(CVN-76、10万3000トン級)をはじめとする空母講習団が参加、韓国からは韓国型駆逐艦「文武大王」(DDH-Ⅱ、4400トン級)が参加した。日本からは海上自衛隊の護衛艦「あさひ」(DD119、5100トン級)が参加した。北朝鮮に対する刺激を憂慮していた文在寅政権時代には主にシミュレーションで運営されていた軍事合同軍事演習だったが、今回、5年ぶりに大規模に展開されたのだ。

9月30日、日米韓の合同演習に参加したアメリカ海軍の原子力潜水艦「アナポリス」と原子力空母「ロナルド・レーガン」(提供:South Korea Defense Ministry/AP/アフロ)