大統領時代に言っていたこととのズレが目立つ文在寅前大統領(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)氏が2022年5月9日に大統領職を退任してから、5カ月が経った。大統領に就任してから今まで明らかになった文政権下の嘘は計り知れない。そして、彼らがついた嘘はこれからも出てきそうだ。

 今回は現時点で分かっている文政権の嘘と、最近、新たに明らかになった嘘について、まとめて見ていきたいと思う。

 まずは過去に判明した嘘からだ。

1.ワクチン接種で副反応が出た場合、政府が全面的に責任を負う

 2021年1月18日、新型コロナウイルスのワクチン接種に関して当時の文大統領はこう述べた。

「すべてのワクチンには副作用が一部存在する。そのような場合、政府が全面的に副作用に対して責任を負うことになる」
「個人が被害を一方的に受けることになるのではないかという憂慮は全くしなくても良い」

 しかし、彼が大統領職を退任した日の同年5月9日には、次のようなニュースが報じられた。「ワクチンの副作用で補償を受けられる確率は0.02% 治療費を支援すると言っていたが『所得水準』の条件を掲げた政府(朝鮮日報)」

 記事の内容は「韓国国内で接種後の異常が疑われる反応件数は1万8260件あったが、このうち医学的因果性を認めて政府が補償した件数はわずか4件に過ぎなかった。政府の補償を受けるにしても、審査期間だけで100日以上かかる」というものであった。

2.福島第一原発原子力事故の死亡者数が1368人

 2017年6月19日、文大統領は「2016年3月現在、福島第一原発の事故で1368人が死亡した」と発言した。彼のこの発言に対し、日本政府は「正確な理解なしに発言した内容であり非常に遺憾だ」と韓国大使館に抗議。韓国の青瓦台(大統領府)も同月28日に文大統領の発言は誤りだったと釈明した。

3.「アカ」という言葉は親日残滓

 2019年3月1日、独立記念日の演説で「日帝は独立軍を『匪賊』に、独立運動家を『思想犯』に追い込んで弾圧した。ここで『アカ』という言葉が生まれた」と語った。