9月30日、北京の天安門広場で行われた「烈士記念日」の式典に出席した習近平総書記(写真:ロイター/アフロ)

 中国の首都・北京は、建国73年の国慶節の大型連休(10月1日~7日)が明けたと思いきや、厳戒態勢になった。もはや北京に外から入ることも、中から出ることもままならない状態だ。

 人民大会堂では、10月16日から第20回共産党大会が始まる。5年に一度開かれる共産党大会だが、「2期10年」の総書記(党トップ)をまっとうした習近平(しゅう・きんぺい)総書記(69歳)は、恒例によれば引退だ。だがそんな気などサラサラなく、「習近平の共産党」ひいては「習近平の中国」を、半永久的に築こうとしている。

憲法以上に重い意味を持つ党規約

 10月9日昼過ぎ、新華社通信が短文で報じた。

<中国共産党第19期中央委員会第7回全体会議が、9日午前、北京で開催された。中央委員会総書記の習近平は、中央政治局(トップ25)を代表して、全体に向けて活動報告を行った。並びに、第19期中央委員会が中国共産党第20期全国代表大会に向けた報告の討論原稿を、全体に向けて説明した。王滬寧(おう・こねい)が「中国共産党章程(修正案)」の討論原稿を、全体に向けて説明した>

 この記事のおしまいに記された「中国共産党章程」というのは、中国共産党の憲法にあたる党規約のことだ。16日から始まる第20回共産党大会で決議するのは、今後5年の党の「人事」と「方針」である。

 そのうち「方針」が如実に表れるのが、党規約の改正なのだ。党規約というのは、あくまでも一政党の規約だが、中国の憲法には「共産党が国を指導する」ことが謳われているので、ある意味、党規約は憲法以上に重要だ。