大谷翔平選手(写真:AP/アフロ)

 衝撃が走った。大谷翔平投手が所属するMLBのロサンゼルス・エンゼルスが8月23日(現地時間)、球団の売却を検討していると公式ツイッターを通じて発表した。球団を保有するアート・モレノオーナーは発表した声明文の中で「この難しい決断は深く考えるに値するものだったが、私と私の家族は最終的に今がその時との結論に至った」などとコメントしている。

 これにより、やや沈静化しつつあった大谷の去就問題が再びクローズアップされる格好となった。

大谷放出に猛反対したのは球団の資産価値維持のため?

 球団側は来季でエンゼルスとの契約が切れ、FAとなることから8月2日のデッドライン前まで大谷を今季中にトレード市場へ出すことも模索。実際にニューヨーク・ヤンキースやニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレス、シカゴ・ホワイトソックスなど複数球団からアプローチがあったとされ、ペリー・ミナシアンGMを筆頭とした編成担当はトッププロスペクト4人との交換を最低条件に耳を傾けていたものの、最終的にモレノオーナーが大谷放出に猛反対して実現しなかった経緯がある。

 残留する見込みが薄いならばFAとなってタダで出ていかれてしまうより、その前にトレードで若手有望株の複数人と交換したほうがいい。大谷の処遇に関し、そのような見解はエンゼルス内部でも増えつつあったが、くだんのモレノオーナーが頑なに首を縦に振らなかった。

 だが8月23日の球団発表によってあらためて点と線がつながった。つまりは球団を売却する際の資産価値暴落を防ぐためモレノオーナーは大谷を手放したくなかったということだ。