連日続く真夏の甲子園の激闘に心を躍らせている人は多いだろう。第104回全国高校野球選手権大会はいよいよ大詰めを迎え、8月22日には決勝戦が行われる。全国47都道府県の49代表校の頂点を争う2チームは、7年ぶり3度目の決勝進出となった仙台育英(宮城)と、そして初の決勝進出を果たした下関国際(山口)だ。
両チームとも勝てば悲願の初制覇を成し遂げることになる。また、仙台育英に凱歌が上がれば春夏通じて東北勢初V、下関国際ならば1958年に柳井が全国制覇を達成して以来64年ぶり2度目の山口県勢優勝となる。深紅の大優勝旗を手にするのは一体どちらか。当日の決勝戦には両県民だけでなく、日本中が釘付けとなりそうだ。
ただ、ひと際注目を集めているのは、どちらかと言えば下関国際かもしれない。18日の準々決勝では今春選抜大会の優勝校で今大会もV大本命だった大阪桐蔭を相手に接戦の末、5―4で逆転勝ち。20日の準決勝では今春選抜大会の準優勝校・近江(滋賀)も8―2で下し、全国屈指の近畿強豪校を連破して勝ち上がってきた。
下関国際、大会前の評価は「ダークホース」
優勝経験がないとはいえ、春夏通じて43度目の聖地出場を誇る仙台育英は甲子園の古豪だ。一方の下関国際は2017年夏を皮切りに今大会で春夏5度目の出場。近年、メキメキと力をつけ、頭角を現してきた。
それでも下関国際には大会前から注目を集めるような抜きん出た主戦の選手がおらず、当初の下馬評で「ダークホース」的な存在とみられていたが、今夏の山口県大会から甲子園と実戦の舞台において白星を重ねるごとにチームは驚くべきスピードで急成長を遂げてきた。これは決して大げさでも何でもなく、実際に坂原秀尚監督が目を丸くしながら「本当に選手たちの成長に驚いている。一試合勝ち上がるごとに今まで見たことのない力を発揮してくれている」と評している。