韓国を襲った大雨による洪水で重なり合ってしまった乗用車(8月10日、写真:Penta Press/アフロ)

 この夏、日本列島は連日、どこかで記録的な豪雨に見舞われています。

 各地で床上以上の浸水、住宅街には既に水が溢れ、冠水した道路は元の地形が分からなくなり、水の中から交通標識が立っていることから道があるらしいことが察せられるような映像報道が続きます。

 西は九州から中国北陸、北は秋田・青森から北海道まで、日本列島を横断的に襲う大雨は「線状降水帯」のなせる業とされ、軒並み「観測史上最大の大雨」に襲われました。

 そののち、一夜明けた被災地では交通もライフラインも寸断され、復旧にはかなりの時間を要するケースもありそうです。

 しかし、この「観測史上最大の大雨」は、日本に限ったことではありません。

 すでに報道されている通り、8月8日に韓国、ソウルを襲った大雨は1907年に同地で気象観測を開始して以来、115年間で最大の大雨と洪水に見舞われ(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220809/k10013761101000.html)ました。

 日本の東京都に当たる「京畿道」だけで9人が死亡、6人が行方不明など、甚大な被害が出ています。

 つまり、この「線状降雨帯」は決して日本の天気に限った話ではなく、韓国のある朝鮮半島から日本列島を横断して太平洋まで、文字通り「グローバル気候変動」によってもたらされた、現在進行形の災害であることに注意しなくてはなりません。

 こうした日本内外の水害が報道された8月9日、地球の真裏ではアマゾン・ドットコムの革新的なデリバリーの発表(https://www.aboutamazon.com/news/transportation/watch-how-amazon-is-preparing-for-drone-delivery)がありました。

 ドローンを使って配達する「プライム・エア」のサービスを2022年後半から開始するというのです。

 当初は米西海岸カリフォルニア州ロックフォードで、モニター的な顧客3000人を対象にスタート、それこそ文字通りサービスが「軌道に乗れば」漸次拡大の方針という見通し。

 さて、どうしてソウルや日本各地の水害の報道と、アマゾン「プライム・エア」ドローン配達サービスを同時に取り上げるか、すでにお気づきの読者も多いでしょう。

 地球環境変動に伴うリスクと、そのリスクをヘッジする新ビジネス・ソリューションであり、さらに言えば、日本が決定的に立ち遅れ、下手をすると国際的に取り残され「後進国化」の懸念がある領域だからです。