(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)
参議院選挙がスタートしました。正直、政策的な論点はあまりなく、有権者の関心は今一つ盛り上がりに欠けるようですが、与党・自民党は、岸田内閣の高支持率を背景に割と優勢に選挙戦を進めているようです。
こう書くと、安保や景気対策など、大事な政策的イッシューがあるとの反論が出て来そうですが、正直、どの党が担っても、具体的な政策立案・実施の局面になれば、そんなに大きな差は出ないでしょう。
ここ最近の物価高やスキャンダルなどで、内閣支持率には少々かげりは出てきていますが、この選挙で自民党が票を大きく減らすような状況にはまだありません。
では、自民党はどのくらい議席を増やすのか。そしてそれが政治状況にどのように影響するのか。今回はその点を見通してみたいと思います。
6~7議席増でも「圧勝」
前回もこのコラムで書きましたが*、岸田政権は、有り体に言えばここまで大きな成果は出していませんが、岸田文雄首相のソフトな人柄のイメージや、安倍・菅両政権で連発された国民の間の「改革疲れ」のムードもあって、内閣発足直後よりも高くなるという異例のパターンで支持率を伸ばしています。支持率を示す折れ線グラフの動きは、直前の菅政権とは大きく異なります。
*【参考】「何もしていない」岸田内閣、なぜ高支持率を維持できているのか(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70426)
それを背景に、今回の参院選は「自民党の圧勝」になりそうな気配を感じている人が多いです。ではどれくらい議席を増やすのか。もしかすると「圧勝」という言葉に20~30議席といった数字をイメージする読者もいるかも知れませんが、おそらくは6~7議席です。10議席に届くことはないと思います。もちろんこれでも永田町ウオッチャーにしてみれば「圧勝」なのです。