(舛添 要一:国際政治学者)
6月22日、参議院選挙が公示される。各種世論調査を見みると、岸田内閣の支持率は高く、野党が分裂していることもあって、政権交代など起こる気配もない。
相変わらず高支持率の岸田内閣
6月15日に国会が閉幕した。政府提出法案は26年ぶりに全て成立という無風国会で政府与党の笑いが止まらない。しかも、内閣支持率は上がっている。
たとえば、5日に行われた読売新聞の世論調査では、内閣支持率は64(+1)%で、4月の調査から3回連続で上昇している。内閣発足以降最高の66%(1月調査)に迫ってきた。不支持率は26(+3)%である。
10〜12日に実施されたNHKの世論調査では、内閣支持率は59(+4)%と内閣発足以来最高になった。不支持率は23(±0)%である。
若干、違う傾向が見られたのが、11〜13日に行われた共同通信の世論調査だ。内閣支持率は56.9%、不支持率は26.9%であるのだが、注目すべきなのは、支持率は前月より4.6ポイント下がり、不支持率は5.1ポイント上がっている点だ。ただ、依然として高支持率である。
この共同通信の調査で内閣支持率が低下したのは、食料品などの値上げに対する不満が高まったからである。値上げの影響を尋ねたところ、「打撃になっている」と答えた人が77.3%と多く、「打撃になっていない」という回答は22.6%にすぎない。物価高に対する岸田首相の対応については、「評価する」が28.1%なのに対して、「評価しない」は64.1%にも上っている。
「家計の値上げ許容度も高まってきている」という黒田日銀総裁の発言については、「適切だと思う」が16.9%なのに対し、「適切だとは思わない」が77.3%である。そして、黒田氏が日銀総裁として適任かどうかについては、「適任だと思う」が29.2%なのに対し、「適任だと思わない」が58.5%となっている。
こと物価高については、岸田首相と黒田総裁への風当たりが強まっているようだ。