(市岡 繁男:相場研究家)
株価の天敵、長期金利が上昇
株式相場が弱含んでいます。米国では6月16日にダウ工業株30種平均株価が終値で3万ドルの大台を割り込みました。インフレ抑制のためFRB(米連邦準備制度理事会)が、約27年半ぶりとなる0.75%の大幅な利上げを決めたほか、スイス中央銀行も利上げに動くなど、世界的な金利上昇による景気への影響が懸念されています。
実際、米国の物価上昇は加速しています。5月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス8.6%と急騰したことに伴い、株価の天敵=長期金利(10年国債利回り)は2011年4月以来の水準である3.4%に上昇しました。
過去を振り返ると、株価は長期金利が上昇し、520週(10年)移動平均(MA)に接近した局面で大きな調整局面を迎えています(図1)。1987年のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊、2007年のパリバショック、2008年のリーマンショック、2018年暮れのクリスマス暴落がその事例です。例外は1994年だけでしたが、米国ではなくメキシコで金融危機が起きています。
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では、なぜそうなるのでしょうか。