テキサス州で発生した銃撃事件で21人が犠牲になった小学校(5月26日、写真:ロイター/アフロ)

日本から戻る機中のバイデン襲った悲報

 またか。米国での乱射事件だ。何回も繰り返される「野蛮国家・アメリカ」の乱射事件。

 反中国包囲網を構築して意気揚々と離日したジョー・バイデン米大統領が、帰路、太平洋上空のエアフォース・ワンに飛び込んできたのは、テキサス州ユバルデの小学校で発生した銃撃事件の第一報だった。

 テキサス州は今なおドナルド・トランプ氏が2020年の大統領選挙で勝利したと信じている「レッド・ステート」。

 人工中絶もLGBTQ(性的マイノリティ)も銃規制も「ノー」と言い続ける共和党の州知事、上下両院議員が君臨する州だ。

 事件が起こったユバルデは人口1万5000人の田舎町。住民の9割はメキシコ系。2020年の大統領選ではトランプ氏が6割の票を獲得していた。

(カトリック教徒の多いメキシコ系がトランプ共和党を支持したのは共和党が人工中絶に反対していたからだ)

 事件は5月24日昼頃起こった。児童19人と教師2人の計21人が殺害されたのだ。

 全容は地元警察が口を閉ざしているため、まだ分かっていない(警察の初動活動が遅すぎたことが早くも問題化している)。

 死傷者は全員メキシコ系移民の2世や3世。中には英語がたどたどしい児童もいたという。

 容疑者は地元の高校を中退したメキシコ系移民2世のサルバドール・ラモス(18)だった。

 容疑者は教室に立てこもって鍵をかけ、バリケードを作り、閉じ込めた教師と児童に向かって精度の高い「KR-15」ライフル銃を乱射した。

 ジョー・バイデン大統領は「ジェノサイト(大量殺戮)」だと言い切った。