期限切れミッキーの商標登録延長認めず
スヌーピー(66歳)とともに「米国文化のシンボル的キャラクター」として世界を席巻してきたミッキーマウスも当年とって93歳。
1928年11月、ニューヨークのコロニー劇場で上映されたデビュー作『蒸気船ウィリー』(Steamboat Willie)の公開日が“誕生日”だ。
(正確にはこれは3作目だが前2作はサイレント映画で世間的には全く相手にされなかった)
ウォルト・ディズニーが描いた陽気で好奇心の強い白ハツカネズミは、その後、アニメにとどまらず、年間696億7000万ドル(約8兆7000億円、2019年の売上高)を稼ぎ出す巨大なマスメディア・エンターテインメント帝国を築き上げた。
ディズニーといえば、ミッキーマウス。ミッキーマウスといえば、ディズニーの独占商標登録だった。
ところが、そのミッキーマウスとディズニーとの仲を引き裂こうとする動きが出てきた。
ドナルド・トランプ前大統領の流れをくむ共和党議員十数人が「ディズニーは民主党リベラルの宣伝機関だ」と決めつけ、2024年1月に満了するミッキーマウスの著作権をディズニーから剥奪する法案の上程を目論んでいるのだ。
著作権については、米議会は、1998年、それまで発行後75年だった著作物の法人著作権の満了期日を95年に延長する著作権延長法改正法を可決、成立させた。
その結果、1920年代の作品群の大多数が2010年代までその期間が先延ばしされることになった。中でも注目されたのは1928年に発表されたミッキーマウスの著作権だった。
権利者のディズニー・カンパニーは期間延長のためのロビー活動を展開、そのためこの法律は「ミッキーマウス保護法」などと皮肉られた。
ロサンゼルス・タイムズによれば、ディズニーは「政治行動委員会」(PAC)を通じて1987年から90年の間に上下両院議員選立候補者に総額1460万ドル(約18億7500万円)、ディズニー従業員有志は47万ドル(約5億9940万円)の選挙資金を出していた。