北京パラリンピック閉会式で手を振る中国の習近平国家主席(2022年3月13日、写真:ロイター/アフロ)

(馬 克我:日本在住中国人ライター)

 2021年10月29日、中国湖南省にある大学、湖南城市学院の教授である李剣(リー・ジエン)氏が公開状を通して次のように訴えた。

 同年4月に行った「建築文化概論」の授業で、李剣氏が日本人の物事に対する真面目な精神を称えたところ、学生の一人に侮辱されたうえ学校側に通報され、理不尽な扱いを受けて教壇に立てなくなったというのだ。

 最終的に、李剣氏はこの屈辱に耐えきれず退職をした。公開状から現在に至るまで、湖南城市学院はこのことについて何も説明していない。

ますます強まる共産党の大学コントロール

 実際のところ、日本人が真面目かどうかはこの件においてまったく重要ではない。中国の大学で働く職員や教授は大部分の人間が、外の世界のことを基本的に理解している。李剣氏の日本人に対する評価が正しいかどうかは、問題ではないのだ。