次期香港行政長官の座が確実視されている李家超・政務司長(写真:ロイター/アフロ)

「いよいよ『香港のプーチン』の統治が始まる……」

「香港が『東方のウクライナ』と化すのではないか……」

 750万香港市民は、いまこうした話題で持ちきりである。

プーチンそっくりの経歴

 香港のトップを決める第5代行政長官選挙が5月8日に行われるが、その立候補受け付けが、4月3日に始まった。受け付けは14日までだが、4日には早くも林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官が、「続投」を否定した。法律上はもう1期、すなわち2期目5年を務める権利があるが、「すべては家族のため」として、42年間の官僚生活に終止符を打つことを明らかにしたのだ。

 そのニュースとほぼ同時期に入ってきたのが、香港特別行政区政府で林鄭行政長官に次ぐナンバー2の政務司長のポストに就いている李家超(り・かちょう)氏が、出馬を決めたという香港メディアの速報である。

 李政務司長の出馬は、「中南海」(北京の最高幹部の職住地)の意向、すなわち習近平主席の意向と見られる。そのため、李政務司長が出馬宣言したと同時に、7月1日に第5代行政長官に就任することが事実上、内定したと言っても過言ではない。