民主党オバマ政権時代に中央情報局(CIA)長官を務めたデビッド・ペトレイアス氏も「この発言は明らかに外交上の自己規律が欠けた危険な言辞だ」と酷評した。

 欧州ではフランスのマカロン大統領までがこのバイデン大統領の発言に驚き、フランスはあくまで外交交渉と経済制裁だけでウクライナ問題に対応すると述べた。

 バイデン大統領の問題発言は、ホワイトハウスが事前に作成した公式演説の草稿には記されていなかったことが判明している。バイデン氏自身が即興で付け加えたというのだ。その追加部分が米国政府の公式政策とは異なっていた、というわけだ。

米軍をウクライナに派遣?

 だがバイデン大統領のウクライナ問題での錯誤の発言や失言はこれだけではない。

 3月25日には、新たにポーランドに派遣された米軍第82空挺師団の将兵を視察した際、「君たちはウクライナへ行き、ウクライナ国民の勇敢な抵抗を目撃するだろう」と述べ、米軍がいよいよウクライナに進入するような方針を示唆する形となった。