問題はどちらが先に倒れるか

 だが、ウクライナ側は、ロシアの交渉担当者たちが状況のひどさを知っているのかどうか計りかねている。

 キエフの諜報関係の高官に言わせれば、ロシアの交渉団は「二軍」だ。

 クレバ外相も、ウクライナが望む安全保障の性質といった類いの問題を処理する権限が彼らに与えられているようには見えないと話している。

 プーチン氏がレベルの高い交渉団を送ってこなかったことは、時間は自分たちの味方だと思っているためか、交渉が実を結ぶことに関心がないことの現れかもしれない。

 ロシア軍は足止めされているところも多いが、砲撃を増やせる場所もかなり多い。

 キエフの安全保障関係者の一人は、首都への大量かつ持続的なロケット攻撃が近々行われる兆候をウクライナの諜報機関がつかんだと述べていた。

 そのような攻撃は、理由は不明だがまだ実行されていない。だが、可能性はまだある。そのうえ、ウクライナには決定的な反撃に出る資源がまだない。

 とはいえ、この戦争については、プーチン氏は以前も間違えた。今回も間違っているのかもしれない。

 ウクライナのルディク議員は、時間が何より肝心だと話している。ただ、時間がどちらに微笑むかが分からない。

「ロシア経済は破綻しつつあるが、私たちは死につつある。問題は、どちらが先に倒れるかだ」