BEVを大衆化させるには?
トヨタが行ったユーザーのBEVに対する意識調査では、斬新すぎるインテリアや、コネクテッド技術などの最新技術にも、あまり興味がないことがわかったという。どちらかというと、従来のクルマと同じような内外装や、価格に見合った質感や性能を求めているというのだ。そのためなのだろう、試乗車も、内外装ともに先進感があるものの、尖り過ぎないように抑えられている印象があった。操作類も、ハイブリッド車もしくはガソリン車のような、誰が乗ってもすぐに操作できる分かりやすさを感じた。

まず4WD車、そしてFWD車の順で走行したが、2モデルともに乗り心地はとても良い。車両重量はFWDで1920kg、4WDで2005kgもあるのだが、重ったるい感じはしない。
また、低重心であり、さらに電池パックを車体骨格の一部として活用し車両のねじり剛性を高めていることから、操縦安定性が高い。取り回しも楽であり、走りが楽しい。4WD車はフロントが150kW、リアが80kWの強力なモーターを積んでいるが、けっして豪快な加速ではなく、安心感のある走りに徹している印象だ。
こうして試乗してみると、トヨタがBEVを大衆化させるために、多くの人にとって乗りやすいセッティングを施していることがよく分かる。
とはいえ、価格はまだまだ高い。トヨタの英国法人の発表ではFWD車で4万1950ポンド(1ポンド154円換算で、646万円)である。日本での展開についてトヨタ広報部は、導入当初は企業向けリースと個人向けサブスクリプションモデルに限定すると説明している。