そもそも駐大阪総領事というポストは、これまで筆者が独自に報じてきたように、かつての羅田広氏が一時帰国中に不審な急死をとげたことをはじめ、薛氏の前任の何振良氏も、着任後わずか10カ月程度で姿を消し、そのまま失脚したことを念頭におけば、中国の外交官にとっては鬼門のようなポストであることもまた事実なのだ。
台湾、香港の危機感あおり反露デモ盛況
ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて26日、東京・渋谷駅のハチ公前広場では、日本在住のウクライナ人らが抗議デモを行い、これを支援する日本人や在日米国人だけでなく、当のロシアを含む旧ソ連出身者ら有志がロシアのプーチン大統領を糾弾し、「ウクライナに平和を!」などと呼びかけた。
実際に現地を訪れた筆者が、狭い広場を埋め尽くすほど混雑した人込みに分け入ると、顔見知りの香港の民主活動家をはじめ、台湾出身者らの参加も確認され、遠く欧州のウクライナで勃発した事態が、そのままアジアにおける中国の強硬姿勢への警戒に直結していることが改めて確認できた。
皮肉なことに今回の薛氏の過激なSNS投稿は、日本社会や在日台湾人、香港人らの危機感を一層刺激し、結果として反露デモの盛況に一役買ったことは間違いなさそうだ。