「五輪の平和、台無し」と大炎上

 これは中国と対峙する米国を「後ろ盾」と頼みにしている台湾の蔡英文政権や、米国と歩調を合わせ、「台湾有事」を「イコール日本有事」とみて、東シナ海での中国の強硬な動きを警戒する日本社会への威嚇、けん制の意図が含まれるとも解釈されることから、薛氏のツイートに対し、日本語や中国語で「オリンピックの平和な思いが台無し」「不適合外交人員(外交官失格だ)」「外交官以前に人間として不適合」「真に強い人は弱いものいじめなどせず、弱い人を助けるものだ」などとする批判の返信投稿が殺到した。

 なかには漫画「ドラえもん」の1コマを示し「かわいそうに」と薛氏の正気を疑うセリフで当てこすったり、清朝末期に中国が列強から蚕食された風刺画を示し、「全くそのとおりだ」と皮肉を込めたりしたものも。

めずらしく釈明も、さらに批判に拍車

 猛烈な批判の殺到にひるんだのか、いつもは強気な薛氏も、今回ばかりは翌25日に関連ツイートを投稿。

「昨日の投稿が多くの方に注目され、有難う!」とうそぶきつつも、「一部から私の真意が理解されず、誤解や曲解もあったが、全く不本意で残念!」「『恃強凌弱、以大欺小』(力をたのみとする弱い者いじめ)は中国外交ではない」と釈明。

「たまたまネットで見たこの動画が自分が伝えたいのとほぼ一緒なので、是非ご覧頂きたい!情勢認識の一助になればと思う!(合掌マーク)」とした。

 このツイートで引き合いにしたネット上の動画では、庭の複数の養鶏群に「アメリカと連中」、1羽だけ離れた養鶏に「ウクライナ」の文字がかぶせられており、「ウクライナ」が、「露」の文字がかぶせられた人に挑みかかり、その直後に人(露)から棒で打ち据えられるという内容。

薛剣氏の「釈明」ツイート。「アメリカと連中」「ウクライナ」と記された鶏と棒を持った人を映し出した動画がついている
「釈明」ツイート動画のその後。「ウクライナ」とマークされた鶏が人に反抗し、棒で叩かれている

 しかしこれに対しても、日本語や中国語、英語で「わっかりやすい!」「大家没有曲解你的発言、請放心」(だれもあなたの発言を曲解などしていない、安心して)「Persona non grata」(外交官として好ましからざる人物)「冷静な情勢分析とともに、未来に希望の持てる発信もお願い致します」などと批判したり諭したりする返信投稿が相次ぎ、火に油を注ぐ結果となったようだ。