まだある。キムチの元祖は中国のパオチャイ、韓服の元祖は中国のハンプ、イギリスプレミアリーグで活躍している韓国が生んだ世界的なサッカープレーヤの孫興民(ソン・フンミン)の祖先は中国人――などといった韓国の文化や優れた人物を盗み取るような主張がすでに中国の一部で提起されている。

訪中した文在寅大統領への冷遇も「対中感情悪化」の要因

 文在寅政権の「親中外交」も韓国人の反中感情を刺激してきた。

 米中間の対立が尖鋭化する中でも、文在寅政権の外交スタンスは「経済は中国、安保は米国」という“バランス外交”を原則にしている。

 それなのに、2017年に文在寅大統領が訪中した際には、屈辱的な待遇で迎えられた。文大統領は中国訪問中に10回の食事の機会があったが、うち8回は「ひとり飯」という有様だったし、さらに随行記者が中国側警備員に暴行を受ける事件まで発生した。こうまで冷遇されても、北京大学での演説では「中国は大きな峰、韓国は小国だ」と中国を称賛してみせた。

 韓国国民の屈辱は続いた。このような待遇を受けながらも訪中を成功させるため、文在寅政府は「THAAD追加配置をしない、米国のミサイル防衛システム〈MD〉体制に加わらない、韓米日軍事同盟を締結しない」の「三不」を約束した事実が明らかになったのだ。この時、韓国国民のプライドはズタズタにされた。