2021年6月の緊急事態宣言下の沖縄・国際通り(資料写真、2021年6月11日、写真:UPI/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

政府も想定外の感染拡大スピード

 新型コロナウイルス感染者が急増している広島県の湯崎英彦知事は、1月6日の記者会見で、オミクロン株の感染拡大が「想像を絶するようなスピードになっている」と語った。単純計算をすれば今週中に1日8000人の感染者が出ることもあり得るというのだ。

 3連休明けには、全国で万単位の感染者数になることは確実だ。オミクロン株について、まだ分かっていないことも多いようだが、感染力の強さ、スピードの速さだけはすでに世界で証明済みである。またデルタ株よりも重症者が少ないということもほぼわかり始めている。

 この感染拡大のスピードは政府も想定外だったと思う。『週刊文春』(1月13日号)によれば、岸田文雄首相の最側近で首相官邸を仕切る嶋田隆首相秘書官が、「官邸では、いつ東京で感染者が千人を超えるかを注視している。そうなれば、緊急事態宣言をいつ出すかを考えなければならない」と語ったというのだ。

 この認識を批判するつもりは毛頭ない。恐らく専門家もここまでの感染スピードは想定していなかったと思う。だが現実には、東京ではすでに1200人台の感染が続いている。沖縄はさらに多くの感染者が出ている。