だが「アンバサダー」(特命全権大使)というタイトルが欲しいがために大統領にカネを注ぎ込んだ外交の素人を外交の「戦場」に送り出すアナクロニズムも何とかすべきだろう。

 オバマ政権でホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)グローバル・エンゲージメント担当部長だったブレット・ビユーレン氏(外交官出身)はこうコメントする。

「大使のポリティカル・アポインティーというのは外交上のまやかしというだけではなく、国家安全保障に対する深刻な問題になっている」

「相手国の対米クレディビリティを失わせているからだ」

 駐日大使として東京に赴任する大物、エマニュエル大使は12月18日、ツイッターでこう抱負を述べている。

「日米両国は共通の課題に直面している。私たちの絆を強めるために大使としてたゆまぬ努力をする」

 元々駐中国大使が第一志望だったというエマニュエル氏だ。駐日大使として中国を睨み、プロ外交官にない政治的手腕を見せるか注目したい。