指導に正解はない」

 埼玉西武ライオンズコーチの平石洋介は言う。PL学園、同志社大学、トヨタ自動車、そして楽天でプレーをし、引退後は楽天球団史上最年少の監督、常勝福岡ソフトバンクホークスのコーチなど、さまざまな役職を経験し、結果を出してきた。

「正解がないからこそ、指導者は学び続ける必要がある」、そう語る平石の指導論とは。本日(12月22日)、その指導論についてのlive配信イベントを行う平石が、自身が毎月コンテンツ配信する「オンラインBaseballPARK」の中で綴った、指導論をご紹介する。

僕の一言が選手の人生を変えることがある

 現役を引退して早10年のときが過ぎようとしています。第二の野球人生を指導者として歩ませていただく中で、いろいろと感じることも増えてきました。

 コーチの仕事には、チームが勝つため、選手が一歩でも上のレベルにステップアップできるための責任が伴います。

 選手には人生がある。

 僕の一言が、彼らの未来を変える可能性がある。

 だから選手のことをもっともっと知らねばならないと感じています。

 現役を引退したのが2011年の秋。すぐにコーチとなり、選手たちに「責任」を持つ立場になりました。一昨年のシーズン途中からは、監督としてチームにも責任を果たさなければならない経験もさせてもらいました。

 その中で感じることはコーチ、指導者として「伝える」「教える」ことの難しさです。これは、少年野球であろうが、プロであろうが、はたまた野球以外のスポーツであろうが変わらないことではないでしょうか。

 僕は経験をしたことがありませんが、ビジネスパーソンにとってもそうなのかもしれません。

 そんな中で僕が、指導者として大事にしていることがあります。

 それは「実際にこうなっている、ではなく、なぜそうなるか」にベースを置く、ということです。