七面鳥と一緒に映るバイデン大統領。感謝祭の前に開催されるセレモニーに参加した時の様子(写真:AP/アフロ)

(山中 俊之:著述家/芸術文化観光専門職大学教授)

「万が一トランプが再度大統領になることになったら・・・」

 在米経験の長い友人(日本人)が、一時帰国の際の食事の席でふと漏らした。3年後の大統領選でトランプ氏が再度登壇しないかどうかが気になるそうだ。

「トランプのせいで、これまでであれば許されなかった差別的な発言が許容されるようになった。とても恐ろしい」

 そこまで恐怖感に煽られるのは、バイデン大統領の不人気のため、敵失で共和党が復活する恐れがあるからだ。

 バイデン氏の支持率は2021年7月には40%台に落ち、11月現在では30%台との調査もある。歴代大統領に比しても、下落が早く、低飛行であることは間違いない。

 それだけではない。

 11月に実施された「USAトゥデイ」の世論調査では、60%以上の有権者が「バイデン氏は再選の大統領選挙に出馬すべきではない」と答えている。1期目の大統領は再選に向けた大統領選挙に出馬することが通例だ。出馬自体に否定的な世論は異例といえる。国民は、バイデン大統領にイエローカードを出していると言ってよいだろう。

 バイデン氏の不人気、支持率低下は、主に以下の3つに集約されると見ている。

メラニア夫人とワールドシリーズ観戦に訪れたトランプ氏。相変わらず血色がよい(写真:AP/アフロ)