(オセラビ:作家・コラムニスト)
2022年3月9日に行われる大韓民国第20代大統領選挙に向けて、与党「共に民主党」は10月10日、京畿道知事だった李在明(イ・ジェミョン)氏を党代表候補に選出した。李在明候補は10月25日、京畿道知事を辞任し、本格的な大統領選挙運動に突入した。
その李候補だが、彼には以前から様々な疑惑が浮上している。まず、10年前から家族間の不和が浮き彫りになっているという問題が挙げられる。李候補が3番目の兄と義兄に向かって吐いた暴言の録音ファイルが波紋を呼んでいるのだ。
李候補が京畿道城南市長だった2012年4月、3番目の兄(2017年に肺がんで死亡)を精神病院に強制入院させた容疑が浮上した。その後、2018年11月に検察から起訴されたが、2019年5月、無罪判決が下された。この時、李候補が兄と兄嫁に向けた暴言の録音ファイルと家族間の不和が公になった。
また、女優Aとのスキャンダルも世間を賑わせた。女優Aは2013年から李候補と不適切な関係を持ったと主張している。李候補が弁護士だった2007年頃、Aは当時既婚だった李候補を未婚だと思い、1年近く深い関係を続けていたという。もっとも、女優Aの主張を裏付ける証拠はなく、数年間にわたって攻防が続いている。
李候補が市長を務めた城南市に20年間居住した女性社会運動家で詩人のBも、李在明候補と争っている。
Bは、2015年に城南市が小規模事業者を支援するために設立した財団の会計が不透明だとして、当時の李市長に説明を求めたが、「虚偽事実を流布」したとして、市側に訴えられた。
その後、裁判が始まったが、裁判が進行していた2017年11月、Bは城南市警察によって精神病院に監禁される。Bは自身の携帯電話を用いて自身が置かれている状況と位置をフェイスブックに投稿、精神病院で注射を受けて気絶した15時間後に、ともに活動していた団体の会員に救出された。
李市長(当時)は事件について、「Bは虚偽事実を流布した疑いで裁判にかけられた。出頭命令を拒否して騒いだため、警察が精神病院に収容した」と述べたが、強制的に監禁した人権侵害については言及しなかった。
大統領選挙を前に、無念を訴えたBがスポットライトを浴びている。
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