農村から都市への人口移動は改革開放路線に転じた以降に生じた現象だが、78年の時点で都市戸籍を持っていた人々とその子供たちが、現在の中国で勝ち組になった。それは経済が発展し始めた早い時期に住宅を購入することができたからに他ならない。90年代においても不動産は高価であったが、それでも庶民がローンを組んでなんとか購入できる水準にあった。ところが21世紀に入ると不動産はさらに高騰して、大都市のマンションは庶民には到底手が届かない存在になってしまった。

バブルの埒外にいる人々の不満

 そんな状況でも富裕層は投資のために何件ものマンションを購入している。

 それでは投資用マンションを購入するような富裕層は中国にどの程度存在するのだろうか。その推定は難しいが、日本で1億円以上の金融資産を有する世帯が全世帯の約2%であることを考えると、中国で投資用のマンションを購入している人々を全人口の2%(2800万人)と推定しても、それほど大きな間違いにはならないであろう。人口が多い国だから富裕層の数も多い。

 現在、中国は3つの階層に分断されている。第一には都市部に自宅を所有し、それ以外に投資用の物件を所有する層。彼らは全人口の2%程度である。次が都市に自宅を保有する階層である。1978年から2020年までの期間に人口が1.45倍に増えたことを勘案すると、その人口は2.5億人程度と推定される。