今年になって習近平が言い出した文化大革命を彷彿とさせる極左的な政策は当然の帰結とも言えよう。習近平は「声なき声」に応えているだけだ。そう考えれば、習近平のバブル潰しはこれからも続くと見る方が妥当だろう。

バブルを崩壊させ始めた習近平

 日本のマスコミのインタビューに対して「中国政府は日本の轍を踏まない。本気でバブル潰しを行わない。どこかの段階で不動産会社を助ける」などと答えている中国人は、都市でマンションに暮らし、その一部は投資用のマンションも持っている。そのような人々は中国版上級国民であり、膨大な人口を抱える中国では圧倒的な少数派である。彼らの願望が含まれる発言を鵜呑みにすべきではない。

 いくら上級国民が現状の維持を願っても、大都市のマンション価格が平均でも1億円するなどと言われる昨今、底辺の民衆の怨嗟は閾値を超えてしまった。そのことに習近平政権は気づいている。だから日本が不動産バブルを崩壊させた時に使ったような手段を使って、バブルを崩壊させ始めた。

 反習近平派は上海や広東を中心とした富裕層を支持基盤にしているが、彼らが国民の8割以上に支えられた習近平に逆らうことは不可能である。不用意に逆らえば、文化大革命時に毛沢東の敵とみなされた人々が街頭で吊し上げられ、その一部は殺害されたと言われるが、彼らにも似たような運命が待ち構えているだろう。

 中国の一部の企業が政府の要請に応じて莫大な寄付金を上納したが、これは企業に対する締め付けが怖かったからだけではない。習近平が民衆の怨嗟を煽れば、フォーブス誌で上位に入ったなどと悦に入っていた人々は、その家族と共に暴動によって虐殺される可能性もあるからだ。そんな恐怖感をはらみながら中国バブルは崩壊し始めた。