米韓機を落とせない旧式対空ミサイル

 北は2016年以前、旧ソ連から供与された旧式のミサイル「SA-2」(射程50キロ)を179基以上、「SA-3」(25キロ)を133基、「SA-5」(300キロ)を38基保有していた。

 中高空域の目標を射撃するための対空兵器だ。これらのミサイルは戦闘機などに直接命中するのではなく、ミサイルが接近した時に、近接信管により自爆し、その破片が当たって撃破するというものであった。

 ベトナム戦争時には有効な兵器であったが、1980年頃以降では、電波妨害を受けること、対レーダーミサイルから攻撃を受けること、さらに、戦闘機の回避行動などで、戦闘機を打ち落とせない兵器になっていた。

SA-2/3/5などによる防空網(イメージ)

縦横に対空ミサイル網が構成されるが、それぞれの防空網内の撃破効率は低い(出典:筆者作成)

 中高空域では、米韓軍戦闘機の攻撃を止めることができなかった。

 このことから、米韓軍は、北領空内を我が物顔で飛行することもできたし、北のどの地域でも、いつでも、航空攻撃できると考えていた。

 超低空~低空域では、戦闘機やヘリを撃墜するために、北は特に2000年以降、個人携帯対空火器「SA-7/14/16」(数キロ)をロシアから購入し、合計4000~6000基を保有している。

 空からの攻撃に軍の各部隊や重要拠点を最終的に守る兵器だ。

 この対空火器を装備することで、北は、超低空~低空域から攻撃する米韓戦闘機に射撃して、ある程度撃墜が可能だった。

 ステルス戦闘機や無人機が目視で発見されれば、この兵器で撃墜される可能性はあった。