北朝鮮は米空軍の最先端戦闘機を撃ち落せるか(写真は夜間に離陸準備する米空軍の「F-15 E」戦闘機、10月4日米空軍のサイトより)

 北朝鮮は9月30日に対空ミサイル発射実験を行った。

 朝鮮中央通信によれば、実験の成果は、「構造的には、双舵制御技術と2重インパルス飛行エンジン」を搭載し、サイルコントロール・システムの速応性と誘導正確度、空中目標掃滅距離を大幅に増やしたという。

 北朝鮮の発表を要約すると、「誘導の性能を向上し、加速し射程を増加させるブースターを取り付けた。その結果、誘導が迅速かつ正確にでき、有効射程を大幅に増加させた」ということだろう。

 北が今、何の実験を実施しているのかを知るために、これまで、どのようなレベルの対空兵器を保有してきたか、それらを運用した場合の欠陥(問題点)、その欠陥をいかに改善してきたか、今後は何を装備しようとしているのか、この狙いは何かを明らかにしたい。

 私は、北の新兵器を分析する場合、以下のプロセスを踏むことにしている。

 北朝鮮の新兵器が、ある日突然に現れることがある。

 この兵器を分析する場合、自国に生産基盤や技術基盤があれば、新兵器を製造することができるが、これらの基盤がない場合、自国生産はできない。

 ロシア戦闘機を例にとると、「Su-7/9/17/24/27/29/30/31/35」のように、逐次技術開発され、その成果を踏まえて、新型の兵器が登場するのが当たり前だ。

 そのため、自国に積み重ねられた軍事技術がないにもかかわらず、突然、新型の高性能兵器が新たに出現した場合には、同盟国などから導入している可能性が高いと考える。

 つまり、兵器は過去からの積み重ねによって製造されるものだと考えている。