青森県の米軍三沢基地で離陸準備するミサイルをフル装備した「F-16 」戦闘機(9月22日撮影、米空軍のサイトより)

 北朝鮮(以下北)は10月11日、国防発展展覧会、名称「自衛2021」という兵器展示会を開催した。

 金正恩委員長が北の指導者となってから開発した兵器を集めて展示したものだ。開催日の「10.11」というのは、米国がテロ攻撃を受けた「9.11」を想起させる。

 兵士の格闘技、戦闘機展示飛行、米軍エイブラハム戦車に似た最新型戦車の展示があったものの、目玉兵器はすべてミサイルであった。

 金正恩氏が国の指導者となってから、ミサイルに勝ち目を見い出し、ここに焦点を当てて、軍事力を整備してきたことがよく分かる。

 金正恩委員長は演説で、「軍事力強化は党の最重大政策、目標であり、揺るぎない意志だ」と述べたように、北の最大の軍事戦略だ。

 この兵器展示会を見れば、米国のドナルド・トランプ前大統領が金正恩委員長のことを「ロケットマン」と皮肉って発言した理由も納得だ。
 
 この展覧会に展示された兵器から、

①北が何に焦点を当てて戦力を整備してきたのか

②何を切り捨ててきたのか、言い換えれば、開発しようとしてもできなかったこと

③これまで公開しただけで、実験していないもの

④現在、開発途上であるが、完成しているように見せかけているもの

⑤北のミサイルに対応するには、について分析し、解説したい。