韓国ソウル駅に設置されたテレビで北朝鮮のSLBM発射映像を見る男性(2021年10月20日、写真:AP/アフロ)

 新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射(10月19)に関し、北朝鮮(以後北)が発信する情報は少なすぎた。

 その中で、情報をキャッチした韓国軍と日本の防衛省の情報には奇妙な違いがあった。

 両国の情報において、「弾道ミサイルである」「飛翔距離は約600キロ」についてなど大部分の情報は同じだった。

 ところが、防衛省は弾数が「2発」で発射時刻が「10時15分」(おそらく2発のうち1発)」と発表したのに対し、韓国軍は「1発」と「17分」と異なる内容だった。

 米国防省は発射の6日後に、「弾数が1発であった」と伝えた。

 1発だったとしても、防衛省が2発と認識したこと、米国防省が遅れて発表したことには、何か重大な理由が潜んでいると考える。

 軍事情報の分析にあたっては、敵国が発信する数少ない情報資料だけで判断すると、ごまかしに騙されてしまうことがあり危険だ。

 国の情報機関が総力を挙げて分析する情報と、北が発信する情報が一致すれば事実であり、一致しない場合は捏造の可能性が高い。

 例えば、極超音速滑空体の実験を実施したと発信したとしても、監視レーダーの航跡が一致しなければ、捏造なのか、あるいは実験の失敗だったのかを分析できる。

 北が発表している情報の信憑性を確認するために、韓国軍、防衛省および米国防省の情報と重ね合わせることも必要だ。

 ところが、今回は最も信頼できる防衛省と韓国軍の情報に食い違いが発生し、その理由が解明できない。これらの情報に、韓国政府が政治的圧力をかけている様子もないにもかかわらずだ。

 この違いは、大したことではないと思われるかもしれないが、何か重大なことが隠されているように思われる。

 今回の北の発射に関する情報について、以下の順で考察したい。

①国家情報機関の情報収集とはどんなものか

②SLBM発射情報についての各国公表情報の違いと疑問

③韓国軍と防衛省の発表情報の違いについての分析

④日韓の確認情報の違いがあれば、今後、どのように解消するべきか