現在、共立女子大学の教鞭に立っているクレイグ・マーク教授(オーストラリア国籍)も同意する。
「岸田氏は(日米豪印の)クアッドを引き続き推進するだろう。河野氏が提案している原子力潜水艦開発にも賛同するだろう」
「中国の東シナ海での動きに対抗した長距離弾道ミサイル開発を含む自衛力強化を続けるだろう」
「台湾問題では、台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定に関する包括的及び先進的な協定)加盟を支持している。これと並行して中国との安定した関係も堅持したいと考えている」
(https://theconversation.com/who-is-fumio-kishida-japans-new-prime-minister-168472)
興味深いのは、東アジア問題の重鎮、ブラッド・グローサーマン博士(多摩大学ルール形成戦略研究所副所長)のコメントだ。
「自民党総裁選を前に、多くの日本人、海外オブザーバーが肝心要の問題としているのは総裁候補者たちの対中スタンスだ」
「党内の大物政治家たちの間には河野氏の対中姿勢に一抹の不安を抱いている」
「これら大物政治家たちは、河野氏が防衛相当時、計画されていたイージス・アショア・ミサイル防衛システムをキャンセルしたことや、総裁候補の中では唯一『マグニツキー法』*1を支持していない点を問題にしている(新疆ウイグル地区での中国当局者による人権弾圧が制裁対象になっている)」
「同氏は『人権侵害の問題は許されるべきではない』と言いつつも、これは行政府が扱うものではなく、立法府が行うべきものだ、としている」
*1=「マグニツキー法」とは、2009年、ロシアの税理士、セルゲイ・マグニツキー氏が刑務所で死亡したことに端を発した米国法。殺害した責任者に対する制裁、資産凍結、米入国禁止を規定している。同法は世界全体の人権侵害案件に適用されている。日本でも2021年に日本版超党派議連が発足している。