中国製ワクチン供給を拒否した金正恩
ジョー・バイデン米大統領は9月22日、新型コロナウイルス感染症対策を話し合う関係国・機関のオンライン首脳会議で、米ファイザー製ワクチン5億回分を追加購入し、途上国に無償で提供すると正式表明した。
「米国は第2次大戦後に『民主主義の(他国へ輸出するための)兵器廠(しょう)』になったように、『ワクチンの兵器廠』となる」
一時はコロナ感染が止まらず、「コロナ大国」の汚名を着せられた米国だが、今後1年以内にすべての国で人口の少なくとも70%がワクチン接種を受けることを目指して勢いづいている。
9月24日のクアッド首脳会議でもインド太平洋地域の接種率の低い途上国への支援を進めることを宣言した。
すべての国で年末までに1日当たり人口1000人に1人が感染検査を受けられるようにするほか、医療用酸素や治療薬の調達も後押しする。
各国へのワクチン供与で主導的役割を世界に誇示し、軍事、経済両面で米国に追いつき、追い越そうとする中国に「ワクチン外交」で差をつけようというわけだ。
中国も「100を超える国と国際機関に対して5億回分以上のワクチンとその原液を提供」(中国外交部)している。
中国製の「シノファーム」「シノバック・バイオテック」を低所得国へのワクチンを支援する国際枠組み「COVAX」を通じ、2763万回分を無償提供してきた。アジア太平洋が7割弱、アフリカが4分の1を占めている。
ところが中国がワクチンを提供したアジアの国はインドネシア、パキスタン、マレーシアのみ。
アジア各国は中国製ワクチンの効き目や副作用を恐れているからだ。
(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/9678a868bdf7fbb7.html)