イラスト:近藤慎太郎

※本記事には近藤慎太郎氏の書き下ろしマンガが多数、掲載されています。ご覧いただけない場合は以下のURLをクリックください。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66209)

 第26回「人混みの中を一直線に向かってくる人がいたら避ける、避けない?」、第27回「生きづらさや心の苦しさの元になる『スキーマ』を客観視するには」では認知行動療法について解説しました。

 認知行動療法は、何か不快な出来事が生じた場合に、いつもの固定的な「認知(物事の捉え方)」を変えることによって、「行動」自体も変え、結果的に気持ちを楽にしていくという治療法です。ごく簡単に言うと、「私は起きたことをこう解釈して苦しんでいるけど、違う解釈もあるんじゃない?」と考える練習をするということです。

 その解釈の仕方に、無意識のレベルで強い影響を与えているのがスキーマです。特に幼少時にどのような経験をしたかで、現在の認知の仕方が大きく左右されます。

 たとえば、親から否定され続けた人は、自己肯定感を得にくい。金銭的に苦労した人は、お金を稼ぐことに執着しやすい。親が若くして亡くなった人は、自分の健康に人一倍気をつける・・・などです。

 また、少し話は外れますが、過食症、拒食症などの摂食障害を持つ女性の多くは、幼少時から母親との関係が上手くいっていないことが指摘されています。

 ことほど左様に、幼少時の経験(特にトラウマ)は、現在の自分の考え方や行動に影響を与え続けています。それが不合理なものだと自分で分かっていたとしても、です。