eパレットの走行実験の様子（出典：トヨタ）
ギャラリーページへ

（桃田 健史：自動車ジャーナリスト）

　トヨタの豊田章男社長は2021年8月27日夜、同社のオウンドメディア「トヨタイムズ放送部」に緊急出演し、26日午後2時過ぎに都内パラリンピック選手村内で発生した、自動運転車「eパレット（e-Palette）」とパラリンピック出場選手との接触事故について「多くの方々にご心配をおかけし大変申し訳ないと思っている」と謝罪した。

　トヨタは東京オリンピックパラリンピックのメインスポンサーであり、大会期間中に選手村内でeパレットの実証試験を行っている。eパレットは、選手や大会関係者の選手村内の“移動の足”として利用されている。

　豊田社長によると、事故の状況は次のとおりである。eパレットがT字路を右折する際、横断歩道の手前で自動停止した。車内のオペレータがジョイスティックで発進指示を出して再スタートしたところ、事故が起こったという。

　eパレットと接触して転倒した選手はその後、選手村内のメディカルセンターで精密検査を受け、徒歩で選手村内の宿泊施設に戻った。新聞社など各種報道によると、この選手はパラリンビック柔道男子81キロ級の北園新光（30）選手で、8月28日に参加予定だった試合を欠場することになった。

　27日夜の時点で、トヨタは警察などと事故原因について調査を行っており、eパレット運用の復旧については未定とした。

eパレットに車いす利用者が乗り込む様子（出典：トヨタ）
ギャラリーページへ