連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識

ダヴィンチの代表作の一つ「洗礼者ヨハネ」のモデルは男色相手の恋人サライといわれている

 最近、女装する男性が増えているという。

 その動機や要因は、綺麗になりたい、変身願望、性的欲望、姉妹の中で育った、など様々なようだ。

 開拓時代、アメリカ大陸に渡ったヨーロッパの人たちの多くが、先住民の部族の中に女装した男性がいるのを見てたいそう驚いたという記録がある。

 こうした女装した人々は先住民のかなりの部族に存在していたようだ。

 彼らは普段、女性の仕事をしながら部族の中でトラブルが起きたときの相談や交渉を行い、宗教儀式の司祭役、予言、占い、病気の治療に務めた。

 また、部族としての重要な決定を下すなどの高い地位にあり、周囲の尊敬を受けていたという。

 先住民は彼らを男性にも女性にも属さない第三の性ととらえ、彼らは超自然的な力による神の意思から生じると考えていた。

 西欧人は彼らを「ベルダーシュ」という名前で呼んだ。

 ベルダーシュとは「稚児」または「男色相手の少年」を意味するフランス語である。

 フランスの哲学者ルネ・デカルト(1596- 1650)は『省察(1641年刊)』で、この世界には、肉体や物質といった物理的実体とは別に、魂や霊魂、自我や精神などの心的実体があり、それに伴い身体が相互作用すると唱えている。

 デカルトは著書『方法序説』の中で「我思う、ゆえに我あり」と心身において身体と心が本質的に異なる実体がある、と主張した。

 そうした考え方は古代ギリシャの哲学者プラトン(紀元前427-前347)の時代まで遡る。