(姫田 小夏:ジャーナリスト)
中国は「一帯一路」構想をアフリカでも展開している。東アフリカのケニアでは、30を超える国家プロジェクトの過半数が中国との共同で進められている。
そのうちの1つが鉄道「モンバサ・ナイロビ標準軌鉄道」の建設だ。2013年に習近平国家主席とウルフ・ケニヤッタ大統領の間で包括的協力パートナーシップが結ばれると、翌年から工事が本格化し、2017年にナイロビ~モンバサ間の約472kmが開通、2019年からは、ナイロビから約120km北東の都市ナイバシャへの延伸工事が進められている。
懸念される「債務の罠」
モンバサ・ナイロビ標準軌鉄道は“Standard Gauge Railway”(標準軌鉄道)の頭文字を取って「SGR」と呼ばれる。ケニアはSGRが経済活性化の起爆剤になると大きな期待をかけているが、欧米諸国は中国による「債務の罠」だと警鐘を鳴らす。