トルクメニスタンの首都アシガバート。中央の像はトルクメニスタンの国犬「アラバイ」(写真:ロイター/アフロ)

(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 情報の少なさから“謎の国”と呼ばれることもある中央アジアのトルクメニスタン。1991年に旧ソ連から独立した中央アジア5カ国のうちの1つだ。アジアの最西部に位置し地政学的に重要な国であると同時に、天然ガスや石油を産出する資源国でもある。

 6月11日、同国のシャキム・アブドラクマノフ副首相は「ガルキニシュのガス田開発と天然ガスパイプライン建設のために中国から融資を受けた数十億ドルを完済した」と発表した。ネットメディア「ユーラシアネット」は、「トルクメニスタンは中国の『債務の罠』から解き放たれた」とする見出しでこれを伝えた。

中国への天然ガス輸出で経済成長

 トルクメニスタンは独立翌年の1992年から、中国と緊密な関係を築いてきた。中国の習近平国家主席がカザフスタンのナザルバエフ大学で「一帯一路」構想を提唱したのは2013年9月。習主席はその後の中央アジア4カ国公式訪問で、いの一番にトルクメニスタンを訪れた。中国がトルクメニスタンとの関係を戦略的パートナーシップに格上げしたのもこのときだ。