こうした努力も会って、シエラレオネ内戦は2002年に終了しました。紛争ダイヤモンドは激減するに至りましたが、まだ皆無にはなっていません。アフリカのダイヤモンド鉱山では児童労働も続いています。

帝国主義の「負の遺産」

 残念ながらアフリカの国々のなかには、現在も政情が安定していない国があります。その陰に、「紛争ダイヤモンド」の問題がまだ横たわっているのも事実なのです。暴力、人権侵害、児童労働または環境破壊を通さずに取得されたダイヤモンドを「紛争フリーダイヤモンド」と呼びますが、その証明が得られないダイヤモンドもまだあるのです。

 内戦が終わった後のアンゴラでダイヤモンド産業が国の経済を支える大きな柱になっているように、本来はダイヤモンドという資源は産出国の経済成長の大きな力になるべきものです。それが「小さくて軽くて高価」という特性を持っているため、紛争のための資金源になってしまうというのは皮肉なものです。

 帝国主義時代に、アフリカを支配していたヨーロッパ諸国がアフリカ地域に対して搾取一辺倒で、本格的な経済発展を考えなかったことがその背景にはあります。国連やイギリスのNGOが撲滅に乗り出した紛争ダイヤモンドですが、元をたどればヨーロッパ諸国による帝国主義の負の遺産と言えなくもないのです。