2006年、レオナルド・ディカブリオ主演の映画『ブラッド・ダイヤモンド』が公開されました。この映画で、ブラッド・ダイヤモンド=紛争ダイヤモンドの問題が一般に知られるようになりました。
紛争ダイヤモンドとは、世界各地、とりわけアフリカで生じている軍事的紛争の資金源となっているダイヤモンドのことです。
国連の定義によれば、次のようになります。
紛争ダイヤモンドとは、<正統的な、かつ国際的に承認された政府に反対する勢力の制圧下にある地域で産出し、これら政府に対する軍事行動向け資金として利用されるダイヤモンド>である、と。
ダイヤモンドビジネスは、大きな利益を生みます。そのため、時には戦争のための資金源となることもあるのです。
特にダイヤモンドの主要生産地であるアフリカは、他の産業が十分に発展しておらず、ダイヤモンドしか輸出できる産品がない国もあります。と同時に、政情が不安定な国も少なくありません。となると、そうした地域で反政府運動にかかわる者たちにとって、ダイヤモンドは非常に有効な資金獲得の手段になってしまっているのです。
今回は、この紛争ダイヤモンドについて少しだけ時代を遡ってみていこうと思います。
なぜダイヤモンドは反政府勢力の資金源になったか
まずダイヤモンドが非合法な活動や紛争・戦争の資金源になりやすい理由の一つは、その「密輸のしやすさ」にあります。ダイヤモンドは、小さくて軽いので、密輸は比較的容易です。なのに価格は非常に高価です。
こうした理由もあって、アフリカにおける紛争で、密輸ダイヤモンドが反乱軍の資金源になっています。