(舛添 要一:国際政治学者)
都議会選挙が6月25日に告示された。7月4日に投票が行われる。首都の議会の構成を決める重要な選挙である。秋に控えた衆議院選挙の前哨戦でもあり、日本の政治の行方にも大きな影響を及ぼす。
ところが選挙戦開始の直前の22日夜、小池百合子都知事は過労のために静養すると発表した。27日まで公務を離れ、その間、多羅尾光睦副知事が職務を代行するという。健康上のことなので致し方ないが、このタイミングでの静養については様々な憶測が飛んでいる。
「素人集団の最大会派」都民ファにすり寄って権力にありついた公明
その憶測の背景には、幾つかの政治的要因が重なりあっている。4年前の都議会選挙は、小池都知事が空騒ぎして大騒動に発展させた豊洲市場移転問題で無知なマスコミや大衆が扇動され、その結果、小池「私党」の「都民ファーストの会」が大勝し第一党となり、自民党が大惨敗を喫した。
都民ファーストの会が勝つことを見越した公明党は、それまでの盟友である自民党を弊衣の如く捨てて、この小池党と選挙協力をした。そして、目論見通り選挙後に与党の座に滑り込んだのみならず、都民ファーストの会の半数にも満たない議席しか持たないのに、与党の主導権を握り、与党の甘い汁を吸い続けてきた。都民ファーストは議席数は多くても素人集団で、都政には無知だからである。