昨年7月、東京2020の1年前セレモニーで登壇したトーマス・バッハIOC会長(左)とジョン・コーツ同副会長(写真:松尾/アフロスポーツ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 政府は、10都道府県に発令中の緊急事態宣言を、沖縄県を除き、6月20日で解除することを決めた。また、岡山県、広島県以外の北海道、東京都、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県については、まん延防止等重点措置に移行する。

 また、まん延防止等重点措置が適用されている埼玉県、千葉県、神奈川県は措置を延長し、岐阜県と三重県は解除する。

 期間は、いずれも7月11日までである。

「有観客」開催なら「無観客」に比べて感染者1万人増の試算

 イベントの人数制限については、宣言や措置の対象地域については、「収容人員の50%を上限に、最大5000人まで」というルールを継続し、それ以外の地域は「5000人か50%の多いほう」にし、当分の間は1万人を上限とするとしている。

 しかし、果たしてコロナ感染は収束に向かっているのか。16日の東京都のコロナ感染者は501人に上り、前週の水曜日の440人と比べると61人増えている。翌17日には452人で、前週の木曜日より13人増である。自粛疲れからか、各地で人出も増えており、今後、さらに感染が再拡大し、第5波に襲われる可能性もある。

 このような状況の下で東京五輪を開催するのは、公衆衛生の観点からは無謀であり、非常識である。