(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)
アメリカのミサイル防衛局が、次世代の脅威となる「HGV」(極超音速滑空体)に対する防衛コンセプトを動画(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65742)で公開しました。
この動画の内容を紹介するとともに、日本の防衛省が進める「イージス・システム搭載艦」配備計画への影響について考えてみたいと思います。
HGVを迎撃する2種のミサイル
今回紹介された動画では、防護すべき目標が都市ではなく空母となっています。前方展開する空母機動部隊をHGVから防護する方法を論じており、台湾有事などを念頭においたものです。
動画の冒頭では、対艦弾道ミサイルに対しては、現有の各種迎撃ミサイルで迎撃が可能で、イージス艦であればSM-3ミサイルによって空母を守ることができることを説明しています。
本題はこの後で、「HGV」に対しては、衛星を含めた各種センサー、指揮統制システム、そしてイージス駆逐艦に搭載した2種のミサイルによって迎撃するとしています。