日本より年間労働時間が日本より300時間短く、時間当たり生産性が1.4倍高いドイツ。ドイツ人の日々の働き方は日本人とどう違うのか? 隅田貫氏は1985年からドイツで暮らし、2005年にはドイツの老舗プライベートバンク、メッツラー社フランクフルト本社に日本人として初めて入社した。隅田氏が目の当たりにした、生産性の高いドイツの働き方のリアルを、著書『ドイツではそんなに働かない』(角川新書)から一部抜粋・再編集してお届けする。(JBpress)
ヘッドフォンをつけて仕事をする合理的理由
メッツラー社では、フロアにパーティションがありませんでした。フロア中を見渡すことができるので、コミュニケーションが取りやすくなるというメリットはあるのですが、仕事をするときに集中しづらいというデメリットもありました。
まず、あちこちで同時に電話をしていると、やはり気になります。
私は元々地声が大きいということもあるのですが、電話で日本と話していると、「悪いんだけど、ちょっと声を落としてもらえないか」とよく周りの人から言われました。日本語だと何を話しているのかがわからないから、余計に雑音に聞こえたのでしょう。