深さ2センチ、垂直に突き刺す「筋肉注射」
新型コロナのワクチンは「筋肉注射」という方法で接種され、より浅い「皮内注射」「皮下注射」のように針の角度が斜め(45度程度)ではなく、腕に対して直角に、深々と針を突き立てます。
奈良県で相次いで事故が起きているので、ほかならぬ「奈良県立医大」の初心者マニュアルをリンクして、ポイントを確認しておきましょう。
(https://www.nmu-resident.jp/info/files/intramuscular17.pdf)
今回のワクチンは、素早く全身に注射液が拡散するよう、身体のより深い内部、筋肉に注射することになっています。
筋肉には血管が走っていますから、そこからワクチンが体の中に広がって行きやすい。
注射を上腕で行うのは、太い血管が走っておらず、大出血などにならない部位、筋肉が選ばれているもので、三角筋という筋肉にワクチン液を注入します。
(こういう関連は、実は私は音楽実技に特化した解剖の経験があり、踏み込むこともできますが、本論の趣旨を優先し、場合によって別稿を準備したいと思います)
確実に「三角筋」まで針を刺すには、年齢や性別、個体差が大きいですが、1.3センチから2センチ程度(20ミリ)針を突き立てる必要があるとマニュアルには記されています。
そこで、傷つけると問題のある神経や血管を避け、安全そうな場所を表面解剖(からだを肉眼で表面から観察、蝕知し、体内の臓器分布を確認)して安全を確保したうえで、細い針ですが 2センチ、躊躇なくブスっと刺す。
これが今回のワクチン接種「手技」の現実です。