戦国武将の戦績は不明

　さて、ここまで謙信敗北とされる合戦の内容を見てみたが、それぞれ内実を見てみると、負けは負けだが、一つは謙信が指揮していない小競り合いで、もう一つは、上杉軍の強弱を推し量りがたい戦いであるものの、負けてはならないところで負けた手痛い敗北である。

　ほかにも細かく説明したいことはあるが、とりあえず謙信の戦績というものは、正確な裏付けがあるものではなく、あくまでイメージ先行のフレーズ以上のものではないということを理解してもらえれば幸いである。

　そもそもの問題として、当時はどこからどこまでが合戦とされるのかが不明瞭で、正確な数値を出すことが困難である。戦国武将の戦績というのは、歴史シミュレーションゲームの武将データと同程度のフィクションである。ただ、それでもその人物のイメージをズバリと直接的に伝えられるので、躍起になって否定するほどのこともない。これらは歴史の中級者ぐらいの知識が身につくまでに、あくまでもフィクションであり、方便であると理解すれば、それで充分だろうと思うものである。

 

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