群雄割拠の戦国時代、常に戦に勝利し、戦国最強と謳われる武将・上杉謙信。
彼は越後から関東へ「十数回」の遠征を繰り返した。この遠征は「越山(えつざん)」とも呼ばれ、険しい山々を越えたことから、この呼び名が定着した。
越山は謙信が31歳から15年ほど続けられ、49歳の時、最後となる越山計画の出陣前に倒れ、そのまま帰らぬ人となった。
謙信はなぜ、エネルギーの多くを越山に費やしたのだろうか。「義侠」という道楽か、それとも「略奪」という実益か。
越山の真相とともに、武田信玄、北条氏康ら同時代を駆け抜けた武将らの活躍も網羅した、関東戦国史の幕が開く。
「上杉謙信はなぜ「戦国最強」と言われるのか?」
4月12日、重版出来記念オンラインイベントを開催しました。
その一部を公開します。
- 第1節
- 敵か味方か、はじめての越山
- 第2節
- 簗田晴助という男──古河公方の外戚を賭けて
- 第3節
- 里見義堯という男(前編)──簒奪者の登場
- 第4節
- 里見義堯という男(後編)──天文国府台合戦
- 《番外編・壱》
- 妻帯説の検証
- 第5節
- 小田氏治という男(前編)──関東総進撃
- 第6節
- 小田氏治という男(後編)──弘治海老ヶ島合戦
- 第7節
- 上杉憲政という男(前編)──関東管領職の重み
- 第8節
- 上杉憲政という男(後編)──「河越夜戦」の実相
- 第9節
- 北条氏康という男──逃れがたき運命
- 《番外編・弐》
- 関東管領の正当性
- 第10節
- 長尾景虎の上洛
- 第11節
- 足利義輝が見た「大名行列」
- 第12節
- 「上杉七免許」の効果
- 第13節
- 越相大戦の勃発
- 第14節
- 関東管領の名代職に就任する
- 《番外編・参》
- 謙信女性説は本当か
- 第15節
- 簗田晴助の念願
- 第16節
- 上杉政虎と成田長泰の衝突
- 第17節
- 武田信玄の越山妨害
- 第18節
- 上杉謙信の宣伝戦と正戦思想
- 第19節
- 決戦川中島(前編)──信玄が命名した“車懸り”
- 第20節
- 決戦川中島(中編)──局地戦と決戦
- 第21節
- 決戦川中島(後編)──龍虎一騎討ちの有無
- 《番外編・肆》
- 越山は乱取り目的だったのか?
- 第22節
- 太田資正という男(前編)──謙信越山の首謀者
- 第23節
- 太田資正という男(後編)──松山合戦の勝利
- 第24節
- 横瀬成繁という男──公方の逃亡を阻止せよ
- 第25節
- 佐野昌綱救出作戦
- 第26節
- 「謙信越山」の理由
- 《番外編・伍》
- 「敵に塩を送る」の史実性