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突然の現役引退――。“雑草魂”が枯れるとき、上原浩治は何を思ったのか。
日米で21年、数々の修羅場を乗り越え、「結果」と向き合ってきた男の最後。そこにあったプロフェッショナルとしての確かな信念。
5月20日、読売ジャイアンツから引退を発表した上原浩治。
日米で約21年。数々の栄光を手にしてきた。
衝撃的だったジャイアンツデビュー年。20勝を挙げ、タイトルを総なめにした。
WBC優勝。圧巻だった韓国戦のピッチングは世界中を驚かせた。
ワールドシリーズ制覇。1年で87試合の力投は、地区シリーズのMVPをも手繰り寄せた。
ジャイアンツ電撃復帰。クライマックスシリーズの山田哲人に見せた力投――。
一方で、数々の挫折も経験した。
度重なるケガ、敗戦処理、ポストシーズン三連続被弾……そして、最終年に味わった「二軍」生活。
なぜ、引退を決断したのか。
最後の2年を丁寧に振り返る。
日々の葛藤から見えてくる、ピッチャーとしての在り方、プロフェッショナルとしての生き方。
雑草魂の矜持と枯れた瞬間――
第1章 引退~結果と向き合った日々~
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2017年12月
メジャーで引退する決意
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2018年2月
直面した「決まらない」という現実
メジャーでやりたいのか? それとも……
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2018年3月
少年時代に戻ったようなジャイアンツ復帰
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2018年10月
クライマックス・シリーズ、対山田哲人
決心していた「人生初の手術」
再びの「自由契約選手」
原辰徳監督に、再び救ってもらう
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2018年12月
自主トレーニングは少人数で寒いところで
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2019年1、2月
11年ぶりの日本キャンプ
メジャーに近い原監督のスタンス
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2019年3月
充実した二軍生活、呼ばれない一軍
失ったイチローさんへの挑戦権
出ない結果、くすぶり始めた不満
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2019年開幕直前
唯一の「一軍」
スピードを上げるトレーニング
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2019年4月
変えたルーティン
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2019年5月
二軍は経験を、一軍は結果を出す場所
心と体が一致しないまま
引退までのカウントダウン
嫌だった「引退会見」