(山田敏弘:国際ジャーナリスト)
「同居孤独死」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
これまで孤独死については広く報じられてきたが、同居者がいるにもかかわらず孤独死してしまう同居孤独死についてはあまり知られていなかった。だが、日本で高齢化が進む中でこの問題が顕在化してきており、無視できなくなってきている。
新たな社会問題「同居孤独死」
最近、メディアでも同居孤独死が注目されつつある。NHKの「クローズアップ現代+」では、2021年4月13日に『“同居孤独死” 親と子の間に何が起きているのか』という番組を放送。さらに読売新聞は2020年11月に同居孤独死について取り上げている。読売新聞の記事は、独自取材から同居孤独死の実態についてこう報じている。
「自宅で死亡し、同居の家族らがいるにもかかわらず4日以上発見されなかった『同居孤独死』が2018年の1年間で、東京23区と大阪、神戸両市内で204人いたことが、各監察医事務所への取材でわかった」
そうした死体が発見された場合、「異状死体」(変死体)として扱われ、警察によって処理されることになる。異状死体とは、病院で死亡したり、通院していたなど明らかな病死を除いた死亡ケースを指す。犯罪による死や事故死などもここに含まれる。