町で見かける人はかなり少なく、ほとんどの人は建設現場の作業員か、ホテルやレストラン、商店の関係者のようだった。また、巨大なビルの建設が進む横には、すでに完成したように見える用途不明の建物もあったが、大部分は空っぽだった。

ボーテンの町には全然人がいなかった

 そんな奇妙な町を散策していると、空を埋め尽くす赤い土ぼこりを見つけた。近づいてみると、なんとそこでは、大量の工事車両によって山林を切り開く作業が行われていたのだ。

 その当時、ボーテンで建物がある区画はまだあまり広くなかったのだが、大規模な開発計画は町を大きく拡張していた。著者にとっては、全く新しい都市が建設されているようにしか見えず、その光景は衝撃的だった。

ボーテンでは大規模な山林の開拓が進む

 ところが、そんな開発の象徴である「鉄道」が見当たらない。町の先には丸坊主になった赤い大地しかないし、町中にもトンネルや「ボーテン駅」がなかったのだ。著者は鉄道の建設現場を探してとにかく歩いてみることにした。

後編へ続く
中国がラオスに建設する巨大都市、驚きの将来計画
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65009